なりすましメール撲滅へ─総務省の要請によるDMARCポリシー引き上げの緊急性と通信事業者の責任
2025/09/12
なりすましメール撲滅へ─総務省の要請によるDMARCポリシー引き上げの緊急性と通信事業者の責任
はじめに
近年、生成AIの進化により、巧妙なフィッシングメールが急増しています。自然な日本語で書かれた詐欺文面が大量に生成され、従来の迷惑メールフィルタでは検知が困難なケースも増えています。こうした状況を受け、総務省は令和7年9月1日、通信事業者団体に対し、送信ドメイン認証技術「DMARC」のポリシー引き上げを含む対策強化を文書で要請しました。
総務省 報道資料
フィッシングメール対策の強化について(要請)
DMARCとは─なりすまし対策の要
DMARC(Domain-based Message Authentication, Reporting & Conformance)は、送信元ドメインの正当性を検証する技術であり、SPFやDKIMと連携して機能します。DMARCポリシーには「none」「quarantine」「reject」の3種類があり、特に「reject」設定は、認証に失敗したメールを受信側で拒否することで、なりすましメールの流通を根本から防ぐ効果があります。

総務省の要請内容──3つの重点項目
総務省が通信事業者に示した要請文では、以下の3点が重点項目として挙げられています。1.フィルタリングの判定技術の向上や迷惑メール判定におけるAIの活用等、メールのフィルタリングの精度の一層の向上を積極的に図ること。また、迷惑メールのフィルタリング強度を適切に設定するなどして、高度化するフィッシングメールに対応可能なメールフィルタリングを目指すこと。
2.なりすましメール対策として有効な DMARC の導入や DMARC ポリシーの設定(隔離、拒否)を行うこと。送信側だけでなく受信側についても、適切な DMARC ポリシーに基づく処理やレポート送信を設定すること。また、ドメインレピュテーション、BIMI、踏み台送信対策等の更なる対策の導入を積極的に検討していくこと。
3.提供しているフィッシングメール対策サービスについて、様々な利用者層に向けた一層の周知・啓発を行うこと。
また、通信事業者は令和7年9月から令和8年8月末までの取り組み状況を、3か月ごとに総務省へ報告する義務が課されています。
導入支援サービス──BrandKeeperの取り組み
DMARCの導入やポリシー引き上げに不安を感じる企業にとって、専門支援は不可欠です。BrandKeeper(ブランドキーパー)は、企業・組織のブランド保護とセキュリティ強化を目的に、DMARCの導入支援から運用サポート、ポリシー設定の最適化までを包括的に提供しています。
弊社では、BIMIの導入支援、VMC証明書取得、ドメイン調査、踏み台対策なども含め、ブランド信頼性の向上とフィッシング対策の両立を支援しています。
DMARC導入に関する無料セミナーや診断サービスも展開しており、初めて取り組む企業にも安心の体制が整っています。
DMARCの「reject」設定は、導入までの調整など適切な事前対応が必要ですが、フィッシング対策としては不可欠です。
技術的課題と対応のポイント
DMARCポリシーの引き上げには、誤判定による正当なメールの隔離・拒否といったリスクも伴います。特にメール転送時には、認証情報が失われるケースがあり、ARC(Authenticated Received Chain)による補完が重要となります。また、複数の送信ドメインを管理する企業では、踏み台対策やポリシーの一元管理が課題となります。
社会的意義と今後の展望
DMARCポリシーの引き上げは、単なる技術的対応ではなく、国民の情報資産を守る社会的責務です。通信事業者や金融機関、行政機関、EC事業者など、信頼性が求められる分野では特に導入が急務です。
今後は、DMARC導入率の公開や業界ベンチマーク化による透明性の向上も期待されます。
本件に関するお問合せ先
───────────────────────────────────■サービスサイトURL: https://rms.ne.jp/
■会社概要
社名 : 株式会社サイバービジョンホスティング
所在地 : 東京都港区三田1-2-22 東洋ビル8F
設立 : 2009年07月
代表 : 代表取締役社長 白山 久壽
事業者番号: 一般第二種電気通信事業者 総務省届出番号 A-21-10690
加入団体 : フィッシング対策協議会 正会員
■本件に関するお問合せ先:
リスクマネジメントソリューション(RMS)事業部
TEL :03-6732-5476
E-MAIL:info@brandkeeper.jp
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